QNAP Container Stationのアプリケーション機能でGitLabを構築する方法【Docker Compose対応】

QNAP NASの「Container Station」には、Docker Compose形式のYAMLファイルを使ってアプリケーションとしてコンテナ群を構築できる機能があります。この記事では、GitLabをYAMLファイルを使ってアプリケーションとして構築する方法を解説します。

✅ 事前準備
📁 ステップ1：永続ボリュームのフォルダを作成
🧾 ステップ2：docker-compose.ymlファイルを作成
📦 ステップ3：Container Stationでアプリケーションを作成
🚀 ステップ4：アプリケーションの起動
🔐 初回ログイン
🎯 まとめ
📚 参考リンク

✅ 事前準備

項目	内容
NAS本体	QNAP（x86 CPU搭載）
OS	QTS 5.x （QuTS heroでもできると思う）
アプリ	Container Station
ネットワーク	NASのローカルIPを固定に設定推奨

📁 ステップ1：永続ボリュームのフォルダを作成

まず、GitLabの設定やデータを保存する場所を作っておきます。

QNAPの「File Station」で以下のパスを作成：

/share/Container/gitlab/
└ config
└ logs
└ data

🧾 ステップ2：docker-compose.ymlファイルを作成

任意のテキストエディタ（例：VS Code、メモ帳）で以下の内容を保存し、ファイル名を docker-compose.yml にします。

version: '3'

services:
  gitlab:
    image: gitlab/gitlab-ce:latest
    container_name: gitlab
    restart: always
    hostname: 'gitlab.local'
    environment:
      GITLAB_OMNIBUS_CONFIG: |
        external_url 'http://192.168.32.253:10180'
        gitlab_rails['gitlab_shell_ssh_port'] = 10122
        nginx['listen_port'] = 80
    ports:
      - '10180:80'
      - '10122:22'
    volumes:
      - /share/Container/gitlab/config:/etc/gitlab
      - /share/Container/gitlab/logs:/var/log/gitlab
      - /share/Container/gitlab/data:/var/opt/gitlab

☝ external_url のIPアドレス(192.168.32.253)は NASの実際のローカルIP に置き換えてください。

📦 ステップ3：Container Stationでアプリケーションを作成

QNAPの「Container Station」を開く
メニューの「アプリケーションを作成」をクリック
yamlコード「アップロード」 → 「ローカルコンピューター」を選択
アプリケーション名を設定（例：gitlab-app）
※3のアップロードの後、アプリケーション名がアップロードしたファイル名に変わるのでその後設定すること
ステップ2で作成した docker-compose.yml を選んでアップロード
「作成」をクリック。バックグランドタスクでアプリケーションが作成中となる
作成完了後、状態が作成済となり、画面にアプリケーションとして表示される

🚀 ステップ4：アプリケーションの起動

作成されたGitLabアプリケーションを選択し、「起動」をクリック
数分でGitLabが起動します
ブラウザでアクセス：

http://192.168.32.253:10180

🔐 初回ログイン

GitLabの初回アクセス時には、rootユーザーでログインします。
初期パスワードはSSHでログインし「initial_root_password 」の中身を確認します。

$ sudo cat /share/Container/gitlab/config/initial_root_password 
Password: 
# WARNING: This value is valid only in the following conditions
#          1. If provided manually (either via `GITLAB_ROOT_PASSWORD` environment variable or via `gitlab_rails['initial_root_password']` setting in `gitlab.rb`, it was provided before database was seeded for the first time (usually, the first reconfigure run).
#          2. Password hasn't been changed manually, either via UI or via command line.
#
#          If the password shown here doesn't work, you must reset the admin password following https://docs.gitlab.com/ee/security/reset_user_password.html#reset-your-root-password.

Password: XXXXXX/YYYYYYYYYY/ZZZZZZZZZZZZZZ=

# NOTE: This file will be automatically deleted in the first reconfigure run after 24 hours.

ブラウザで、ユーザー名root、パスワードは調べたパスワードを入力すると、ログインできるようになります。
パスワードは変更しておきましょう。